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【計装】負圧系の液面計、界面計の設計の留意点について解説

今回の記事では負圧系の液面計及び界面計の設計の留意点について解説します。

プラントにおける液面計測は、流体、運転条件が多岐に渡っており、中には負圧で運転する系(復水タービンのコンデンサーなど)や、液相が2液相に分離する系(リファイナリーなどで、水、油とガスを分離するセパレーターなど)もあります。

このようなサービスに設置する液面計は、特にトラブルが発生しやすいため、設計面で特別な配慮が必要になることがあります。

次項から、これらのサービスで発生しやすいトラブルと、その対策としての設計面の留意点を合わせて解説します。

負圧系に設置する液面計設計の留意点

例として復水タービンのコンデンサーについて解説します。

負圧系で、かつ飽和液のタンクやドラムでは、中の液体が蒸発-凝縮を繰り返す現象が起こりやすくなっています。

そのため、一般的な差圧式液面系を採用した場合、気相側の導圧管に液が凝縮してしまい、指示値が低くなってしまうトラブルが発生します。なお、このようなトラブルは、負圧系でなくても、飽和液が存在するタンクたドラムについても同様に発生するリスクがあります。

設計面の留意点

液面計のタイプを、キャピラリー付きのダイアフラムシールとすることで、導圧管を使用せず、上記のトラブルを回避することができます。

ただし、ダイアフラムシールは、適用可能な温度、圧力範囲に制限があるため、採用を検討する場合は設計温度設計圧力をよく確認する必要があります。

またダイアフラムシールを採用するとコスト増の要因となるため、液面計のタイプは変更せずに、導圧管をウェットレグにしたり、気相部の導圧管にヒートトレースを施工して凝縮を防ぐ対策がとられることもあります。

界面計設計の留意点

水と油分との界面分離行うドラムの界面計にディスプレースメント式液面計を選定する場合、水と油分との密度差が小さいと、ディスプレーサー部の直径が大きくなります。そのため、ノズル径が小さいと現地取り付け時に挿入ができないトラブルの要因となります。

また、ディスプレートメント式液面計やレーダー式液面計は、防波管(Stilling Well)も合わせて設計しますが、この防波管に構造不良があると、管の内部でガス溜まりができて、正確に界面が得られず、大きな誤差や測定不能につながることがあります。

設計面の留意点

ディスプレースメント式を界面計として選定する場合は、流体性状を正しく把握し、ディスプレーサのサイズとノズル径を良く確認しておく必要があります。

また、防波管については、上図のように穴あき構造かスリットが入った構造を適用し、界面が確実に導けるように配慮します、また、P&ID上でも防波管の有無とその構造が分かるように表記しておくことも重要です。

その他の留意点は以下の通りです。

・界面を目視で確認できるように、サイトグラスやレベルゲージ(現場計器)の設置を検討する。
・ディスプレースメント式液面計のディスプレーサ部の上端は常に液面より下の位置にあるようにする。(液面より高い位置にあると液面が計れないため)
・防波管と機器本体とボンディング線の設置の設置を検討する。(帯電防止のため)

  • この記事を書いた人

Toshi

プラントエンジニア/ 技術ブログでプラントエンジニアリング業務に役立つ内容を発信中 / 現在160記事、月7万PV達成 / 得意分野はプロセスエンジニアリング / 化学メーカーからエンジニアリング会社に転職 / 旧帝大化学工学専攻卒 / 海外化学プラント設計、試運転経験有。 保有資格:危険物取扱者(甲種),高圧ガス製造保安責任者(甲種化学),エネルギー管理士(熱)

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