2/9にJT(日本たばこ産業)が本決算を開示し、2021年度の配当を154円から130円に減配することを発表しました。
決算資料では減配ということばは使用せず、「リベース」という言葉を使用しましたが、減配を発表した事実には変わりありません。
この事実を受けて、管理人はJTを売却し、その資金をVWOに投資することにしました。
インデックス投資押しの管理人がJT株を所持していた理由
管理人はプラントエンジニアの投資として、インデックス投資を強く推薦しています。
しかし、JT株への投資は上記の投資方針とは反するものでした。
JT株を所持していた理由は、高い配当利回り(7%超)、強固な財務と大株主が財務大臣(JT法に準拠)であることから、多少株価が下落しても、減配は簡単にせず、インカムゲインというキャッシュフローを享受することができると考えていたためです。
実際にJTの株価は2017年以降は右肩下がりであるものの、配当は維持、増配を続けてきたため、利回りは高くなって行き、十分なインカムゲインを取得することが出来ておりました。
■JTの配当推移(マネックス証券より)
■JT配当利回り
■JT株価推移
JT株の売却理由
JT株の売却理由は、何と言っても減配したという事実により、今後のインカムゲインによるキャッシュフローの担保が出来なくなったためです。
減配したと言っても、わずか15%程度で、他社と比べるとそれほど減配率は高くないですが、減配という事実は重く受け止めるべきと考えます。一度減配をした企業は今後も減配する可能性が高くなります。
また、2021年度の業績予想を厳しくみており、減配したのにも関わらず、配当性向(利益に対する配当の割合)が96%と予想しているにも関わらず、経営方針の資料では「配当性向は75%を目安とする」と記載しており、矛盾が生じていることも、理由の一つです。
業績予想を厳しく見過ぎているだけなのかもしれませんが、管理人としては更なる減配もあり得ると考えています。
このような理由から、株主側として、安定したインカムゲインが得られなく可能性を案じ、売却するに至りました。インデックス投資を推しているにも関わらず、高配当株に手を出してしまったことへの罰なのかもしれません。
売却による損失について
管理人はJTは1000株保有していましたが、まずは半分程度を売却し、それをVWOに投資する方針で考えています。
全てを売却しない理由は、JTの2021年度の業績が予想よりもよく、復配する可能性を考慮してのことです。業績は良くならないようであれば、全量売却予定ですが、このあたりの判断は次の決算をみて決めようと思います。
売却によりかなりの損失が発生する予定ですが、損益通算することにより、利益と相殺して税金の還付が受けられる(節税)ので、あまり気にしていません。
損益通算とは少し分かりにくい概念ですが、具体例で考えると分かりやすいです。
例えば、Aという会社の株を売却或いは配当により、10万円の利益が発生するとします。この時、約20%の税金が差し引かれ、手取りの利益は約8万円になります。他に株式取引がなければ、2万円の税金は支払ったままになります。
ここで、Bという会社の株(この記事だとJT株)を売却して、10万円の損失が出たとします。すると、A株の利益とB株の損失が相殺され、合計の利益は0円になります。
そのため、税金も支払う必要がなくなるため、A株の利益発生時に支払った20%が戻ってきます。これが税金の還付と言われるものです。
税金の還付を受けるには、証券口座の設定を「特定口座 源泉徴収有」にしておけば、自動で損益通算されるので、特に何もする必要はありません。
さらに、この損益通算は3年間持ち越すことも可能ですが、持ち越すには確定申告をする必要があります。
売却資金の投資先について
売却資金はバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)に投資することにしました。
VWOへの投資は一言で言うと、新興国(中国・台湾・インドなど)全体の指数に連動するインデックス投資です。
■VWOの株価推移
■VWOの市場別配分
■VWOの構成上位銘柄、セクター比率
管理人は、今後も米国を中心とした世界経済の成長が続くと思っていますが、中国、台湾、インドの成長も見逃したくないため、これらの国の経済成長を享受することが出来るETFであるVWOを選択しました。
VWOへの投資はインデックス投資なので、個別銘柄の業績・決算等は気にせず、新興国全体として経済成長するかどうかをwatchしておけば問題ありません。
例えば、2021年2月現在では、新興国の中では最も中国の経済が大きいので、中国銘柄が全体の4割以上を占めています。
実際に上位銘柄の1位のAlibabaと2位のTencentは中国の銘柄です。
2位が台湾で15%程度、3位がインドで10%程度、4位がブラジルで5%程度となっています。
インデックス投資の最大のメリットの一つであるのが、新興国の経済規模に応じて、自動的に銘柄を組み替えてくれることなので、今後、中国が衰退したとしてもその他の新興国の割合が大きくなるだけなので、VWOという一つのETFの成長に期待することができます。
業務多忙、現地出張など、会社一つ一つの業績・決算を確認する時間の取れないプラントエンジニアでも比較的リスクが抑えられる投資手法なので、管理人はインデックス投資をオススメしています。
まとめ
この記事のポイント
・日本たばこ産業(JT)が減配したことにより、売却を決意
・売却による損失は損益通算による税金の還付が可能(節税)
・売却資金はVWO(中国、台湾、インドなどの新興国インデックスETF)へ投資
・インデックス投資はプラントエンジニアにオススメの投資
投資状況については、定期的に紹介していきたいと思います。
もちろん、投資をするということは自分の資産が無くなるリスクにさらすことなので、興味が無い方に無理に勧めるようなことはありません。
投資に興味があっても、踏み出せずにいる方の後押しになれば幸いです。では、また他の記事でお会いしましょう。
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