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【計装】プラント建設現場における計装設備のループチェック・検査要領について解説

今回の記事ではプラント建設現場における計装設備のループチェック実施要領について解説します。

計器、調節弁などの計装設備は、メーカーの工場で試験・検査が行われてから出荷されますが、輸送・保管・据付け工事などに伴うトラプルが発生する可能性があります。そのため、計装設備の品質を保証するためにも、プラントの運転開始前に実入力による単体動作確認検査を含むループチェックの実施が必要です。

(補足)Site Acceptance Test(SAT)と呼ばれることもあります。

これらの工程はプレコミッショニングに含まれますが、工程の最終段階にあり、かつプラントの試運転は計装設備は正常に動作することが義務付けられているため、非常に短期間で検査を実施する必要があります。

国内プラントにおいては、国内メーカーの高い信頼性、運搬が丁寧で輸送によるトラブルがほとんどない、輸送距離が短い、メーカーの工場検査から運転開始までの期間が比較的短い、といった理由から、建設現場での実入力による単体動作確認検査は行わず、模擬信号入力によリループチェックで済ませることも多いです。

※重要度が高い計装設備は国内プラントでも動作確認検査を行います。

一方、海外プラントの場合は、一般的に輸送距離と時間が長く、輸送中のトラプル発生リスクが高いため、現場での単体動作検査は必須となります。また、トラブル発生時の対応に時間を要するため、現地納入後、比較的早い段階で単体動作確認検査を行うことが必要です。

そこで本記事では各計装設備の単体動作検査における一般的なループチェック実施要領について解説します。

ループチェック概要

ループチェックは、計装の各ループについて関連計装システムを運転可能状態(配線および配管を完全に接続すると共に計装電源および計装空気を供給する)にして、検出端または操作端と受信計器間のループの動作が総合的に設計通りであることを確認します。

ループチェックを実施するための前提条件は以下の通りです。

ループチェック前提条件

1) 計器取付が完了
2) 単体動作確認が必要な計器類の検査実施完了
3) 配線工事完了
4) 関連配管及び関連機器の工事完了
5) 電源および空気源が正常に供給されていること

検出ループは、検出端より模擬信号を与え受信計器が所定の指示をすることを確認します。操作ループは、操作計器より模擬信号を与え操作端が所定の動きをすることを確認します。

ループチェックが完了した現場機器には、重複チェックを避けるために必要に応じてマーキングを行い、完了したループに継続して電源・空気源等を供給し、作動状態にしておくかどうかは、事前に協議して決めておく必要があります。

ループチェックの検査成績書は、計装ループ図上に動作が確認された信号経路をマーカー等により確実に印をつけてテスト漏れがないように行い、合格日を記入することで成績書とすることが一般的です。

各計装設備については次項から解説します。

流量計

この記事での流量計は各タイプの流量計だけでなく、流量スイッチも含みます。

目視検査

目視検査での確認事項は以下の通りです。

1) 仕様書および図面との照合
2) 付属品の品目および数量
3) 破損の無いこと、また圧カシール部(フランジ面等)に傷の無いこと
4) 機能を害する恐れのある錆および結露の無いこと

差圧式流量計

オリフィスなどの差圧式流量計については、ハンドポンプ、計装空気または窒素ガスにて疑似的に圧力をかけ入力に対応した出力信号値を確認します。この時、パイプ・チュープの漏れの無い様に確実に接続すること、窒素ガスを疑似圧力源として使用する場合は、換気への配慮が必要です。

検査点は、通常次の6点に対して行います。

圧力上昇時:0%→50%→100%
圧力降下時:100%→50%→0%

実施対象は基本的に全数です。

Modbusなどのインテリジェント型については、上記の検査点に代わり、専用コミュニケータにより零点およびスパンを確認することで検査が行われます。

面積式流量計

面積式流量計の検査はリンク機構を手動にて動かし、目盛板上の目盛リに指針を合わせ、その時の出力信号を確認することで行われます。

検査点は、通常0%および100%の2点で行います。

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

上記以外の流量計

上記以外の流量計(容積式、タービン式、渦式、コリオリ式、電磁式、超音波、流量スイッチ)については、建設現場での動作確認・調整作業は困難なので、メーカーの工場での試験・検査製逝去を確認して単体動作確認検査に代えることが多いです。

液面計

この記事での液面計は各タイプの流量計だけでなく、レベルスイッチも含みます。

目視検査

目視検査での確認事項は流量計と同じく以下の通りです。

1) 仕様書および図面との照合
2) 付属品の品目および数量
3) 破損の無いこと、また圧カシール部(フランジ面等)に傷の無いこと
4) 機能を害する恐れのある錆および結露の無いこと

差圧式液面計

差圧式液面計は差圧式流量計同様、ハンドポンプ、計装空気または窒素ガスにて疑似的に圧力をかけ入力に対応した出力信号値を確認します。この時、パイプ・チュープの漏れの無い様に確実に接続すること、窒素ガスを疑似圧力源として使用する場合は、換気への配慮が必要です。

検査点は、通常次の6点に対して行います。

圧力上昇時:0%→50%→100%
圧力降下時:100%→50%→0%

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

Modbusなどのインテリジェント型については、上記の検査点に代わり、専用コミュニケータにより零点およびスパンを確認することで検査が行われます。

ディスプレーサ式液面計

外筒式ディスプレーサの場合は、所定の場所に据付けた状態でチャンバー内に水を張り、実水位を計測して密度換算を行った上、出力信号値を確認します。ただし、禁水サービスに使用される外筒式ディスプレーサの場合は、検査後チャンバー内の水切リ・乾燥を充分に行うこと忘れないようにしてください。

内筒式ディスプレーサの場合でベッセル内の実レベルを計測できる場合には、試運転前の水張リ時または試運転時の実液の実レベルを計測し出力信号値を確認します。

検査点は、任意の2点が一般的です。

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

タンクゲージ(フロート式、スプリングバランス式、サーボバランス式)

タンクゲージは、所定の場所に据付た状態で、巻き上げ機構を手動にて動かしフロートを上下させることによリ計器の指示値および出力信号値を確認します。 実水位を計測できる場合には、タンクヘの水張リ時に実レベルを計測し出力信号値を確認する方法もあります。

検査点は、任意の2点が一般的です。

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

フロート式レベルスイッチ

フロート式レベルスイッチは所定の場所に据え付けた状態で、フロートの動きに対応して接点が動作する事を確認します。

外筒式の場合は、フロートの位置を手で操作できる場合は手動により接点が動作することを確認します。手動による操作が不可能な場合は、水張リによリ所定の水位で接点が動作することを確認します。

内筒式の場合でベッセル内の実レベルを計測できる場合には、試運転前の水張リ時または試運転時の実液の実レベルを計測し所定の水位で接点が動作することを確認します。

検査は、全ての動作点に対し上昇または降下のいずれか要求されている方向性に対して行います。

判定基準動作が正常であることです。

実施対象は基本的に全数です。

放射線式液面計

放射線式液面計の場合は仕様書およびメーカーの取扱説明書に従い動作・出力信号値の確認を行います。動作確認は、線源・検知部・受信計とも所定の場所に据付けた状態で、配線工
事の完了後ループとして確認し、メーカーから現地派遣されるSVに依頼するのが一般的です。

判定基準は動作が正常であり、また許容値以内であることです。

上記以外の液面計

上記以外の液面計(静電容量式レベルスイッチ、超音波式液面発信器、羽根車式レベルスイッチ、電極式レベルスイッチなど)については、建設現場での動作確認・調整作業は困難なので、メーカーの工場での試験・検査製逝去を確認して単体動作確認検査に代えることが多いです。

タンク、ドラム内の実レベルを計測できる場合は、試運転前の水張リ時または試運転時の実液(粉体)の実レベルを計測し出力信号値または接点が正常に動作することを確認します。このとき、実施対象は基本的に全数です。

圧力計

この記事での圧力計は各タイプの圧力計だけでなく、圧力スイッチも含みます。

目視検査

目視検査での確認事項は流量計、液面計と同じく以下の通りです。

1) 仕様書および図面との照合
2) 付属品の品目および数量
3) 破損の無いこと、また圧カシール部(フランジ面等)に傷の無いこと
4) 機能を害する恐れのある錆および結露の無いこと

圧力計、差圧計

圧力計や差圧計は、デッドウェイトテスターやハンドポンプで減圧した空気か窒素にて圧力をかけ、入力に対応した出力信号値を確認します。窒素ガスを疑似圧力源として使用する場合は、換気への配慮が必要です。

検査点は、通常次の6点に対して行います。

圧力上昇時:0%→50%→100%
圧力降下時:100%→50%→0%

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

Modbusなどのインテリジェント型については、上記の検査点に代わり、専用コミュニケータにより零点およびスパンを確認することで検査が行われます。

現場設置型圧力指示調節計

現場設置型圧力指示調節計は、デッドウェイトテスターやハンドポンプで減圧した空気か窒素にて圧力をかけ、入力に対応した出力信号値を確認します。窒素ガスを疑似圧力源として使用する場合は、換気への配慮が必要です。

検査点は、通常次の6点に対して行います。

圧力上昇時:0%→50%→100%
圧力降下時:100%→50%→0%

調節計の機能検査は以下の要領にて行います。
① 比例帯を100%に設定し、調節計設定値を50%とする。
② 積分動作の機能を有する場合、積分時間を最大値に設定する。
③ 50%の入力を設定し、出力に変化が見られないことを確認する。
④ 入力を変化させ、出力信号値が仕様に従った変化をすることを確認する。
※積分動作の設定目盛リがリセットタイム(積分時間の逆数)で表示されている計器では、設定値を最小にする。

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

圧カスイッチ・差圧スイッチ

圧力スイッチ・差圧スイッチは、デッドウェイトテスターやハンドポンプで減圧した空気か窒素にて圧力をかけ、入力に対応した出力信号値を確認します。窒素ガスを疑似圧力源として使用する場合は、換気への配慮が必要です。

検査点は、要求されている全ての設定値とし、設定値毎に圧力が上昇時と降下時の2点に対して行います。

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

現場型圧力計・差圧計

圧力スイッチ・差圧スイッチは、デッドウェイトテスターやハンドポンプで減圧した空気か窒素にて圧力をかけ、入力に対応した出力信号値を確認します。窒素ガスを疑似圧力源として使用する場合は、換気への配慮が必要です。

検査点は、任意の2点が一般的です。

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

上記以外の圧力計

上記以外の圧力計については、建設現場での動作確認・調整作業は困難なので、メーカーの工場での試験・検査製逝去を確認して単体動作確認検査に代えることが多いです。

温度計

この記事での温度計は各タイプ温度計だけでなく、圧力スイッチも含みます。

目視検査

目視検査での確認事項は流量計、液面計と同じく以下の通りです。

1) 仕様書および図面との照合
2) 付属品の品目および数量
3) 破損の無いこと、また圧カシール部(フランジ面等)に傷の無いこと
4) 機能を害する恐れのある錆および結露の無いこと

熱電対

熱電対はエレメント端子間の導通検査を行い断線が無いことを確認します。非接地型の場合、エレメント端子とシース間の抵抗値を計測し、絶縁破壊が起きていないことを確認します

判定基準としては、エレメント間に導通が認められること、絶縁抵抗値が得られることを確認します。

実施対象は基本的に全数です。

測温抵抗体

測温抵抗体はエレメント端子間の抵抗値を計測し、計測時の大気温度での適用コードに従った抵抗値が得られることを確認します。また、エレメント端子とシース間の抵抗値を計測し、絶縁破壊が起きていないことも合わせて確認します。

判定基準としては、所定の抵抗値が得られること、所定の絶縁抵抗値が得られることを確認します。

実施対象は基本的に全数です。

温度発信器(トランスミッター)

温度発信器(トランスミッター)は発信器入カターミナルに信号発生器より模擬信号を入力し、入力信号に対応した出力信号値を確認します。

検査点は、通常次の6点に対して行います。

圧力上昇時:0%→50%→100%
圧力降下時:100%→50%→0%

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

Modbusなどのインテリジェント型については、上記の検査点に代わり、専用コミュニケータにより零点およびスパンを確認することで検査が行われます。

現場設置型温度指示調節計

現場設置型温度指示調節計は、大気温度における指示値および調節計の出力信号値を確認します。

指示値の検査は検査時の大気温度1点のみとすることが多いです。

調節計の機能検査は以下の要領にて行います。

① 比例帯を100%に設定し、調節計設定値を大気温度にする。
② 積分動作の機能を有する場合、積分時間を最大値に設定する。
③ 微分動作の機能を有する場合、微分時間を最小値に設定する。
④ 調節計設定値を変化させて、出力信号値が仕様に従った変化をすることを
※積分動作の設定目盛りがリセットタイム(積分時間の逆数)で表示されている計器では、設定値を最小にします。

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

温度スイッチ

温度スイッチは建設現場での動作確認・調整作業は困難なので、メーカーの工場での試験・検査製逝去を確認して単体動作確認検査に代えることが多いです。

現場型温度計

現場型温度計は建設現場での動作確認・調整作業は困難なので、大気温度を指示していることの確認のみを行うことが多いです。

調節弁

この記事での調節弁は各タイプ調節弁だけでなく、電磁弁(ソレノイドバルブ)も含みます。

目視検査

目視検査での確認事項は以下の通りです。

1) 仕様書および図面との照合
2) 付属品の品目および数量
3) 破損の無いこと、また圧カシール部(フランジ面等)に傷の無いこと
4) 機能を害する恐れのある錆および結露の無いこと

空気駆動式調節弁(スロットリングタイプ)

空気駆動式調節弁(スロットリングタイプ)については、ハンドポンプ、計装空気または窒素ガスにて疑似的に圧力をかけ、入力に対応したバルブ開度を開度指示板で確認します。電気信号入力(電/空変換器内蔵型)の調節弁に対しては電流発生器によリ模擬信号を入力し、入力に対応したバルブ開度を開度指示板で確認します。

バルブ開度を確認するときは、ステムがスムーズに動くことも合わせて確認します。また、エアーフェイルポジションも確認することも必要です。

電磁弁(ソレノイドバルブ)、リミットスイッチ等の付属品がある場合、これら付属品の動作も合わせて確認します。

検査点は、通常次の6点に対して行います。

圧力上昇時:0%→50%→100%
圧力降下時:100%→50%→0%

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

空気駆動式調節弁(オンオフタイプ)

空気駆動式調節弁(オンオフタイプ)は、供給空気をエアーセットで調整し、仕様書・データシートに記載された駆動器の作動空気圧にセットした後、電磁弁の電源を入/切することにより調節弁の全開/全閉を確認します。

このとき、ステムがスムーズに動くことも合わせて確認します。また、エアーフェイルポジションも確認すること、バルブ内部に異物が入っていないことの確認も必要です。

全ストローク動作時間が規定されている場合には、ストップウォッチを用い規定時間内に動作する事も確認します。

リミットスイッチが付属されている場合には、設定点においてリミットスイッチが動作する事をテスターまたはブザー等で確認します。

判定基準は動作が正常であることです。

実施対象は基本的に全数です。

自力式調節弁

自力式調節弁は建設現場での動作確認・調整作業は困難なので、メーカーの工場での試験・検査製逝去を確認して単体動作確認検査に代えることが多いです

電磁弁(ソレノイドバルブ)

電磁弁(ソレノイドバルブ)は所定の電源を入/切する事によリ動作を確認します。

電磁弁が駆動源を介して操作端を動作させる目的で使用される場合は、電磁弁と操作端の動作を合わせた動作確認をループチェックとして行います。

判定基準は動作が正常であることです。

実施対象は基本的に全数です。

分析計

pH計、電導度計、ガス検知器について解説します。

目視検査

目視検査での確認事項は以下の通りです。

1) 仕様書および図面との照合
2) 付属品の品目および数量
3) 破損の無いこと、また圧カシール部(フランジ面等)に傷の無いこと
4) 機能を害する恐れのある錆および結露の無いこと

pH計

pH計は、pH7およびpH4、またはpH7およびpH9の標準液中に電極部を浸し、各々のpH値に対する指示値および出力信号値を確認します。標準液の組合せについては、当該計器の計測レンジにより選択します。

判定基準は許容値以内であることです。

実施対象は基本的に全数です。

電導度計

電導度計は、計測レンジ内の任意の1点の標準液中に電極を浸し、指示値および出力信号値を確認します。標準液を入手する事が困難な場合は、電極を取外した後、電極に相当する端子に計測レンジ内の任意の1点の標準抵抗器による模擬信号を入力し、指示値および出力信号値を確認します。

判定基準は許容値以内であることです。

実施対象は基本的に全数です。

ガス検知器

ガス検知器は通常状態における0%と、標準ガスの濃度の2点を検知部に与え、各々の濃度における受信計の指示値および警報接点が所定の時間内に所定の動
作を行うことを確認します。

判定基準は、指示値および警報動作に至る時間ともに許容値以内であることです。また警報動作が正常であることも確認します。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。また、ガス検知器の検査は検知部・受信計とも所定の場所に据付けた状態で、配線工事の完了後に実施します。

実施対象は基本的に全数です。

その他分析計

上記以外の分析計については仕様書および製作者の取扱説明書に従い動作・指示値・出力信号値等を確認します。

それぞれのの分析計に対する動作確認は、検知部・受信計とも所定の場所に据付けた状態で配線工事の完了後ループとして確認し、メーカーのSVに依頼するのが
一般的です。

その他の現場設置計器

その他の計器として、電/空変換器、空/電変換器、ロードセルについて解説します。

目視検査

目視検査での確認事項は以下の通りです。

1) 仕様書および図面との照合
2) 付属品の品目および数量
3) 破損の無いこと、また圧カシール部(フランジ面等)に傷の無いこと
4) 機能を害する恐れのある錆および結露の無いこと

電/空変換器

電/空変換器は、信号発生器で模擬信号を入力し、入力信号に対応した出力空気圧を確認します

検査点は、通常次の6点に対して行います。

圧力上昇時:0%→50%→100%
圧力降下時:100%→50%→0%

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

空/電変換器

ハンドポンプまたは減圧した空気または窒素ガスにて、模擬信号圧力を入力し、入力信号に対応した出力信号値を確認します。

模擬信号上昇時:0%→50%→100%
信号降下時:100%→50%→0%

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

ロードセル

ロードセルはけーかーの取扱説明書に準拠しますが、一般的には、ロードセル単体の導通を確認した後に付属の特殊工具を用い、ロードセル側の結線を外し、ダミー入力を与え受信計の指示値および出力値を確認します。また、本検査は、所定の場所に据付けた状態でロードセルと受信計間の配線工事が完了した後ループとして確認します。

検査点は零点および計測レンジ内の任意の1点です。

実施対象は基本的に全数です。

判定基準は許容値以内であることです。検査点における出力値が許容値を越えた場合、調整を行った後に再検査を実施します。

実施対象は基本的に全数です。

  • この記事を書いた人

Toshi

プラントエンジニア/ 技術ブログでプラントエンジニアリング業務に役立つ内容を発信中 / 現在160記事、月7万PV達成 / 得意分野はプロセスエンジニアリング / 化学メーカーからエンジニアリング会社に転職 / 旧帝大化学工学専攻卒 / 海外化学プラント設計、試運転経験有。 保有資格:危険物取扱者(甲種),高圧ガス製造保安責任者(甲種化学),エネルギー管理士(熱)

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