プラントエンジニアリング プロセスエンジニアリング 技術情報 計装

【計装】渦流量計の設置のポイントについて解説

こんにちは。Toshi@プラントエンジニアのおどりばです。

今回の記事では渦流量計の設置上のポイントについて解説します。

渦流量計はこちらの記事でも解説している通り、振動に弱く、スラリーや腐食性流体の測定には向かないものの、オリフィス流量計よりもレンジアビリティが広く、精度も良いので、最近では使用されることが多く、特に蒸気配管に使用されることが多いです。また、圧力損失もオリフィス流量計よりも小さいです。

しかし、流量を適切に測定するためには、設置する配管のレイアウトにおいて留意しておくべき項目があります。

本記事では最低限気をつけなければならない設置上のポイントについて解説します。

各流量計のタイプ選定や設計時の留意点についてはこちらの記事で解説しています。

合わせて読みたい

・【配管】液ラインの制限オリフィス孔径の簡易式とキャビテーション指数について
・【配管】オリフィスの流量係数とは?形状との関係について解説
・【配管】プラント配管の主な構成要素について解説
・【配管】プラント建設後の配管はどうやって洗浄する?配管洗浄方法の解説
・【配管】ラインチェックとは?プラント配管施工時の確認項目について解説
・【配管】プラントの配管振動を引き起こす主な原因とその対策について
・【配管】機器周りの配管レイアウト設計の留意点について解説

・【計装】差圧式流量計(オリフィス、フローノズル、ベンチュリ管)データシート作成方法の解説
・【計装】どんな流量計が適切?流量計の種類の選定基準の解説
・【計装】プラントで使用される流量計の種類と特徴の解説
・【計装】プラントで使用される液面計(レベル計)の種類と特徴の解説
・【計装】プラントで使用される圧力計の種類と特徴の解説
・【計装】プラントで使用される温度計(温度センサ)の種類と特徴の解説
・【計装】プラントで使用される分析計の種類と特徴の解説
・【計装】差圧・圧力伝送器 (流量計、圧力計、レベル計) のトラブル事例と対策について
・【計装】電磁流量計の設置上のポイントについて解説
・【計装】流量計のタイプ選定、設計時の留意点について解説
・【計装】プラントで使用されるオンライン分析計 設計時の留意点について解説
・【計装】現場指示計はどこに設置するべき?設置基準について解説
・【計装】液体の性状に応じた液面計のタイプ選定について解説
・【計装】リーククラスとは?バルブの締め切りについての要求事項を解説
・【計装】流量計の温圧補正とは?補正要否と設置上の留意点について解説

・プレコミッショニングとは?プラント試運転準備作業について解説 

配管直管長

渦流量計は差圧式流量計と比べると比較的短くても良い(5D~10D程度)ですが、それでもある程度の直管長が必要です。

必要な直管長は前後の配管部品の種類により、各配管部品における必要直管長を記載します。

補足:「D」は配管径を表します。例えば5Dの場合は配管径の5倍の長さの直管長が必要ということです。

レデューサー

<縮小管>

・ 流量計上流側の縮小管:5D
・ 流量計下流側の縮小管:5D

<拡大管>

・ 流量計上流側の縮小管:10D
・ 流量計下流側の縮小管:5D

エルボ

・ 流量計上流側のエルボ:5D
・ 流量計下流側のエルボ:直管長不要

バルブ

・ 流量計上流側のバルブ:20D
・ 流量計下流側のバルブ:5D

圧力、温度タップ

圧力計、温度計を設置するためのタップは、渦流量計の下流側に設置します

・ 圧力タップ:2D~7D
・ 温度タップ:圧力タップから1D~2D

アキュムレータ

レシプロポンプの吐出側に渦流量計を設置する場合はアキュムレータからの直管長を確保する必要があります。

・ 流量計上流側:20D
・ 流量計下流側:5D

振動・脈動

渦流量計はその原理上、振動・脈動に弱いため、配管に振動や脈動が生じていると出力エラーを起こすことがあります。

特に、ポンプやコンプレッサーなどは振動、脈動を起こしやすい機器なので、これらの機器の吐出側に設置する場合、アキュムレータなどの減衰機構の設置などの配慮が必要となります。

また、脈動を回避、減衰させる対策としては、制御弁を流量計の上流側に設置することが有効です。ただし、バルブを設置する場合は上述した直管長を確保することが必要となります。

付着物

流体に含まれる付着物、異物等は、流量計隙間への詰まりによる出カエラーを発生する場合があります。

そのため、汚れが多い流体やスラリー流体、腐食性の高い流体に対しては、渦流量計は不向きとなります。

流量計選定時は計測する流体の性状を正確に把握することが重要です。

二相流

渦流量計は液体中に含まれるガスの比率が5%程度の二相流であれば測定可能ですが、数%のエラーが発生してしまいます。

そのため二相流の流量測定においては渦流量計は基本的に不向きです。

渦流量計で蒸気流量を測定する場合は、蒸気が湿り蒸気になってしまうとエラーが発生するので、飽和蒸気を測定する場合は、その蒸気が乾き蒸気であることを確実に確認しなければなりません。

まとめ

今回の記事では渦流量計の設置上のポイントについて解説しました。

渦流量計はこちらの記事でも解説している通り、振動に弱く、スラリーや腐食性流体の測定には向かないものの、オリフィス流量計よりもレンジアビリティが広く、精度も良いので、最近では使用されることが多く、特に蒸気配管に使用されることが多いです。また、圧力損失もオリフィス流量計よりも小さいです。

しかし、流量を適切に測定するためには、流量計に設置において留意しておく項目があります。

本記事が役に立てば幸いです。ではまた他の記事でお会いしましょう。

  • この記事を書いた人

Toshi

プラントエンジニア/ 技術ブログでプラントエンジニアリング業務に役立つ内容を発信中 / 現在150記事、月3.2万PV達成 / 得意分野はプロセスエンジニアリング / 化学メーカーからエンジニアリング会社に転職 / 旧帝大化学工学専攻卒 / 海外化学プラント設計、試運転経験有/投資による資産形成もブログで報告。 保有資格:危険物取扱者(甲種),高圧ガス製造保安責任者(甲種化学),エネルギー管理士(熱)

-プラントエンジニアリング, プロセスエンジニアリング, 技術情報, 計装

© 2022 プラントエンジニアのおどりば Powered by AFFINGER5