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【計装】電磁流量計の設置上のポイントについて解説

こんにちは。Toshi@プラントエンジニアのおどりばです。

今回の記事では電磁流量計の設置上のポイントについて解説します。

電磁流量計はこちらの記事でも解説している通り、スラリー流体の測定が可能で、圧力損失も無く、比較的高精度で流量の測定が可能です。

そのため、スラリーを扱うプラントや固結しやすい液体を扱うプラントではよく使用されます。

しかし、流量を適切に測定するためには、設置する配管のレイアウトにおいて留意しておくべき項目があります。

本記事では最低限気をつけなければならない設置上のポイントについて解説します。

各流量計のタイプ選定や設計時の留意点についてはこちらの記事で解説しています。

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配管直管長

電磁流量計は差圧式流量計と比べると比較的短くても良い(5D~10D程度)ですが、それでもある程度の直管長が必要です。

必要な直管長は前後の配管部品の種類によるので、JIS B 7554で規定されている直管長について記載します。

補足:「D」は配管径を表します。例えば5Dの場合は配管径の5倍の長さの直管長が必要ということです。

ゲートバルブ

・ 流量計上流側の仕切弁:5D
・ 流量計下流側の仕切弁:2D

その他のバルブ

・ 流量計上流側のバルブ:10D
・ 流量計下流側のバルブ:2D

レデューサー

・ 配管を絞って流量計と接続する場合:直管長不要(上流/下流両方)
・ 配管を拡大して流量計と接続する場合(上流側):10D
・ 配管を拡大して流量計と接続する場合(下流側):2D

ティー

・ 流量計上流側のティー:5D
・ 流量計下流側のティー:直管長不要

エルボ

・ 流量計上流側のエルボ:5D
・ 流量計下流側のエルボ:直管長不要

バルブ位置

電磁流量計上流側にバルブを設置すると、偏流が生じて適切測定出来ない可能性があるため、バルブはなるべく流量計下流側に設置します。

やむを得ず流量計上流側に設置する場合は上述した直管長を確保するようにバルブを設置します。

また、流体が液体の場合は満水状態を確保するために、上流側のバルブは流量計よりも低い位置に設置します。


薬液の注入箇所

ボイラ給水などの配管には。ボイラのpH調整やスケーリング防止のために薬液を投入することがありますが、注入された薬液により、流体の導電率が変動し、適切に測定出来ないことがあります。

そのため、薬液の注入は電磁流量計の下流側で行います。

やむを得ず流量計の上流側に接続する場合は50D程度の十分な直管長が必要となります。

二液相の配管

液体が相分離しやすく、二液相を形成しやすい場合は、水平配管だとうまく測定できないことがあります。

そのような流体を取り扱う場合は垂直配管に電磁流量計を設置します。

垂直配管に設置する場合はU字配管に設置するなど、満水状態が維持できるように設置します。



気泡を含む配管

液体に気泡が含まれる場合には、気泡がたまらない配管レイアウトにする必要があります。

また、通常は気泡が無い液体配管でも、揮発性の高い液体や沸点近くで運転する液体は、バルブにより管内の圧力が低下し、気泡を発生する場合もあります。

そのような場合は、バルブは流量計の下流側に設置します。

スラリー配管

スラリーの流量を電磁流量計で測定する場合は、電磁流量計は垂直配管に設置します。

その場合、満水状態を維持するために、流れの方向は上向きに流すようにします。



まとめ

今回の記事では電磁流量計の設置上のポイントについて解説しました。

電磁流量計はこちらの記事でも解説している通り、スラリー流体の測定が可能で、圧力損失も無く、比較的高精度で流量の測定が可能なので、スラリーを扱うプラントや固結しやすい液体を扱うプラントではよく使用されます。

しかし、流量を適切に測定するためには、流量計に設置において留意しておく項目があります。

本記事が役に立てば幸いです。ではまた他の記事でお会いしましょう。

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  • この記事を書いた人

Toshi

プラントエンジニア/ 技術ブログでプラントエンジニアリング業務に役立つ内容を発信中 / 現在120記事、月1.8万PV達成 / 得意分野はプロセスエンジニアリング / 化学メーカーからエンジニアリング会社に転職 / 旧帝大化学工学専攻卒 / 海外化学プラント設計、試運転経験有/投資による資産形成もブログで報告。 保有資格:危険物取扱者(甲種),高圧ガス製造保安責任者(甲種化学),エネルギー管理士(熱)

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