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【ポンプ/圧縮機】プラントで使用される回転機の駆動源選定の主な検討事項について解説

こんにちは。Toshi@プラントエンジニアのおどりばです。

今回の記事ではプラントで使用される回転機の駆動源選定の主な検討事項について解説します。

ポンプ・圧縮機(コンプレッサー)などの回転機の駆動機には、通常は電動機(モーター)が使用されますが、一部の回転機については、蒸気タービン、ガスタービン、エンジンなどを駆動源とすることもあります。

駆動源を決定するためには、その回転機器単体ではなく、プラント全体・プロジェクト全体の思想を考慮して最適な駆動源を決定しなければなりません。

具体的には以下の項目について検討する必要があります。

駆動源選定の主な検討事項

・ 使用可能なユーティリティ
・ プラントの運転思想
・ 蒸気バランス
・ 省エネルギー
・ コスト

そこで、本記事では各検討事項について解説していきます。

このような検討は、プラント建設プロジェクトにおいて最も初期に行うFS(Feasibility Study)や概念設計の段階で行われますが、この検討結果は後の工程で行う業務(プラント基本設計や回転機の手配)に大きく影響するため、非常に重要な検討事項になります。

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使用可能なユーティリティ

出典:SICK

プラントのユーティリティ(用役)設備はプラントの種類、規模、立地条件によりユーティリティの種類・性格・量・費用が異なります

例えば、水が貴重な地域にプラントで建設する場合は、水の消費量を削減するように要求されることもあるため、蒸気の消費量を抑える検討を行う場合があります。そのような場合は蒸気タービンが使えず、ガスタービンなどの使用を検討することになります。

また、プラントの事故、火災発生時に消火水を供給するために使用される消火ポンプについては、異常時に電気や蒸気などのユーティリティが消失しても駆動可能なディーゼルエンジンの適用を検討します。

プラントの運転思想

出典:JGC

運転中に停止してしまうと危険な状態になる回転機、プラント全体の運転継続が難しくなる回転機については駆動源の検討が必要です。

例えば、ポンプでは常圧精留塔・減圧精留塔のヒーターチャージボンプ、ボイラ給水などがこれに該当し、圧縮機ではメイン配管に設置する天然ガス圧縮機が該当します。

ポンプについては予備機を設置することで、片方が停止してもスタンバイポンプが起動することで運転継続可能ですが、予備機を設置しないことが多い圧縮機については重要な検討事項となります。

一般的には、このような機器に対しては電気よりも信頼性の高い蒸気が駆動源として使用され、蒸気タービン駆動とすることが多いです。



蒸気バランス

出典:Chegg

プラントの種類によっては、化学反応により大量の発熱が発生するため、その廃熱を有効活用すべく、廃熱ボイラを設置することがあります。

この廃熱ボイラにより、大量に蒸気が発生しますが、この蒸気を上手く活用する(蒸気バランス)を上手にとることで、プラント全体の蒸気消費量を抑えることができます。

このような場合は、蒸気タービンを利用することを検討します。

ただし、運転変動や季節により蒸気バランスが変動することを考慮して、電動機駆動とタービン駆動を併設する、などといった工夫が必要になります。

省エネルギー

最近のプラント建設プロジェクトでは、機器の選定にあたって省エネルギーが求められることがほとんどで、この観点から駆動源が決定されることもあります。

そのため、効率の高い回転機を使用することはもちろんですが、その使用方法・制御方法の検討や、複合サイクルの使用による総合的な効率アップの検討も必要となります。

主な省エネルギーの検討内容は以下の通りです。

・ 最高効率点は、運転条件とその期間を検討し、長期間の全消費動力を最少とするように選定する。

・ 流量制御においては、吐出側制御弁による制御ではなく、電動機のインバータ制御とする。案内屋根(ガイドベーン)の角度制御を採用する。

・ 案内羽根の角度制御の採用;遠心圧縮機案内羽根の角度により最高効率点を広い流量範囲に

・ 浪費していたプロセス中のエンタルピー落差を動力として回収するため、動力回収タービン・ガスエキスパンダーを採用する。

・ ガスタービンの排熱で蒸気を発生して蒸気クービンを駆動するコンバインドサイクルを採用する。



コスト

ユーティリティコスト

プラントの種類や立地条件によりユーティリティコストは大きく異なります。

運転費用を下げるためには、費用の安いユーティリティ(ガスプラントではガスタービンの検討、プラントのオフガスを用いたガスエンジンなど)をなるべく多くの駆動機に使用することを検討します。

機器コスト

上述の検討により、機器コストが膨れ上がってしまうと検討の意味が無くなってしまいます。

そのため、これらの検討を行なう際は、機器購入費用とそれを使うメリットとを比較して、総合的な判断を行なう必要があります。



まとめ

今回の記事ではプラントで使用される回転機の駆動源選定の主な検討事項について解説しました。

ポンプ・圧縮機(コンプレッサー)などの回転機の駆動機には、通常は電動機(モーター)が使用されますが、一部の回転機については、蒸気タービン、ガスタービン、エンジンなどを駆動源とすることもあります。

駆動源を決定するためには、その回転機器単体ではなく、プラント全体・プロジェクト全体の思想を考慮して最適な駆動源を決定しなければなりません。

主な検討事項

・ 使用可能なユーティリティ
・ プラントの運転思想
・ 蒸気バランス
・ 省エネルギー
・ コスト

このような検討は、プラント建設プロジェクトにおいて最も初期に行うFS(Feasibility Study)や概念設計の段階で行われますが、この検討結果は後の工程で行う業務(プラント基本設計や回転機の手配)に大きく影響するため、非常に重要な検討事項になります。

この記事が役に立てば幸いです。ではまた他の記事でお会いしましょう。

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  • この記事を書いた人

Toshi

プラントエンジニア/ 技術ブログでプラントエンジニアリング業務に役立つ内容を発信中 / 現在120記事、月1.8万PV達成 / 得意分野はプロセスエンジニアリング / 化学メーカーからエンジニアリング会社に転職 / 旧帝大化学工学専攻卒 / 海外化学プラント設計、試運転経験有/投資による資産形成もブログで報告。 保有資格:危険物取扱者(甲種),高圧ガス製造保安責任者(甲種化学),エネルギー管理士(熱)

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